こんにちは。今回は、私が実際に運用してきた投資信託の経験をもとに、「分配金の出るファンドって実際どうなの?」というテーマで書いてみたいと思います。
世の中には、「分配金が出る=魅力的」と思う人もいれば、「結局は元本を削ってるだけ」と敬遠する人もいて、評価が大きく分かれるのが現実ですよね。私自身も、Jリートや予想分配金型ファンドなどいくつかの分配型ファンドを通じて、試行錯誤してきました。
この記事では、分配金の基本、普通分配と特別分配の違い、実際に得られたメリットや見えてきたリスクを踏まえ、「分配金ありのファンドは“あり”か“なし”か?」という疑問に向き合ってみたいと思います。
分配金ってそもそも何?普通分配金と特別分配金の違い
まず基本の確認からいきましょう。
● 分配金とは?
分配金とは、投資信託が得た利益の一部を投資家に配当として渡してくれるお金のこと。ファンドによっては「毎月」「年4回」「年1回」など、支払われる頻度が違います。
この分配金、実は2種類あります。
● 普通分配金とは?
これはファンドの運用益(=儲けたお金)から支払われる分配金です。課税対象にはなりますが、「利益をしっかり出せた」という証拠でもあるため、投資家にとっては嬉しい収入ですね。
● 特別分配金とは?
こちらは「元本払い戻し金」とも呼ばれ、自分が最初に投資したお金の一部を“取り崩して”渡してくれる分配金。非課税ですが、利益が出ていない状態でも分配金として見かけ上支払われるため、「なんとなく得した気分になるけど、実際は資産を削ってるだけ」なんてこともあります。
私の経験:Jリートと分配金ファンドで見えた実態
● Jリートでの4年間(2019年〜2023年)
2019年に初めてJリート(不動産投資信託)で毎月分配型のファンドに投資。受け取った分配金は確かに毎月入ってきて嬉しかったのですが……2023年に解約してみると、なんと総合的な利益はプラマイゼロ。
理由は、分配金で受け取った分はあるものの、基準価額(ファンドの価格)が下がり続けていたため。分配金をもらいながらも、じわじわと資産が削られていたんですね。
この経験から、「分配金が出る=利益が出ているとは限らない」ことを身をもって学びました。
● 予想分配金型ファンドでの4年間(2021年〜2025年)
一方で、2021年から始めた予想分配金型投資信託には満足しています。200万円を投資し、毎月分配金を受け取る形に設定。約4年間で100万円程度の分配金を受け取りました。
このファンドの特徴は、一口あたりの価格(基準価額)に応じて分配金の金額が変動すること。価格が下がれば分配金も減る、価格が上がれば分配金も増える、という合理的な仕組みです。
分配金が出ない月もありましたが、基準価額が維持または上昇している限り、分配金はプラス方向に働くことが実感できました。しかも、この間は育児休職中で収入が減っていたため、分配金を生活費に充てられたのも非常に助かりました。
分配金のメリットとデメリットを整理してみた
【メリット】
- ✅ 定期収入として安心感がある
→ 働けない期間や副収入がほしい人にはありがたい存在。 - ✅ 再投資して複利効果を狙うことも可能
→ 自動再投資型を選べば、分配金をそのまま再投資して資産を増やすことも。 - ✅ 目的に合わせて使い分けられる
→ 生活費の補填にも、長期投資にもアレンジできるのが分配金ファンドの魅力。
【デメリット】
- ⚠️ 分配金の正体を見極めないと損する
→ 特別分配金ばかりだと、資産を減らしているだけの場合も。 - ⚠️ 長期での資産成長には不利なことも
→ 分配金がある分、内部での再投資が少なくなり、成長力にブレーキがかかる可能性。 - ⚠️ 税金面が複雑になりやすい
→ 普通分配金は課税対象。NISAや特定口座でないと管理が面倒になることも。
結局、「分配金あり」はアリかナシか?
私の結論はこうです。
「一口あたりの基準価額が高く、特別分配に頼っていないファンドなら“アリ”」
つまり、分配金を出しながらも資産を維持・成長できているファンドであれば、分配金は非常に有効です。むしろ、ライフスタイルに応じて収入と支出の調整弁として活用できるのが大きなメリット。
ただし、分配金の中身が特別分配中心になっている場合は要注意。基準価額の低下が続くファンドでは、分配金で喜んでいる間に資産全体がじわじわ削られていく可能性があります。
最後に:分配金とどう付き合うかは“自分次第”
分配金のあるファンドが「いい」「悪い」という二元論では語れません。大切なのは、「なぜ分配金をもらいたいのか?」「そのお金をどう使うのか?」という目的と向き合うこと。
私の場合、育児休職中の生活費としての役割がありました。その目的を果たせた以上、分配金ファンドは“あり”でした。
これから分配金ファンドを検討する方には、ぜひこう問いかけてみてほしいです。
「その分配金、本当に“利益”ですか?」
仕組みを理解し、目的に応じて使い分ければ、分配金ファンドはあなたの投資生活の大きな味方になってくれるはずです。参考になれば嬉しいです。
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